競馬の醍醐味の一つとして、馬券を当てるという点があります。
どんな名レースが繰り広げられても、馬券が外れすと悪い意味で記憶に残りますよね。
馬券を当てるという観点で言えば、複勝という馬券が最も当てやすいものとして有名です。
では、複勝とは一体どのような馬券なのでしょうか?
ここでは、複勝の概要や攻略法などについて解説します。
目次
複勝とはどんな馬券?
複勝とは、出走頭数によってことなりますが、1着から3着までの入着馬を勝馬とする勝馬投票法のことを指します。
詳細な出走頭数に対しての的中条件は以下のようになっています。
- 出走頭数が8頭以上の場合:3着
- 出走頭数が7頭以下の場合:2着
出走頭数が4頭以下で行なわれるレースでは複勝式は発売されません。
また、出馬表が確定した段階で取り消しなどによって頭数が減ったとしても、出馬表の出走頭数に応じて的中条件が決定する仕組みとなっています。
単勝と同様で、勝馬投票は馬番で指定します。
複勝の場合、控除率は80.0%と単勝と並んで最も高く、継続して買い続けることでお得感がある馬券でもあります。
複勝は、ワイドと同様でオッズを見るとある程度幅が持たせてある馬券です。
JRAでは、払戻金は以下のルールで決まります。
(W+D/P)×R+A/P (「+A/P」は、WIN5において、キャリーオーバーがある場合)
- W 当該勝馬に対する勝馬投票券の総券面金額
- D 出走した馬であって勝馬以外のものに対する勝馬投票券の総券面金額
- P 勝馬の数
- R JRAが投票法ごとに定めた率(勝馬投票法ごとの払戻率をご参照ください。)
- A WIN5においてキャリーオーバーがある場合の金額
複勝では、2着や3着までに入った馬の組み合わせでオッズが変化します。
簡単に言えば、人気馬が多く入るとオッズが下がり、逆に人気薄の馬同士で決まるとオッズが上がるのです。
複勝の歴史
日本の競馬史の中で、最も古い馬券として単勝があります。
その後、連勝式馬券が登場していますが、複勝についてもほぼ同時期に登場しました。
よって、複勝は歴史としてみると単勝よりも後発ではあるものの、1991年に馬連が登場するまでは単勝、枠連と並んで数少ない購入できる馬券でした。
昭和57年には、第4回中山競馬から複勝式のオッズ表示が行なわれていて、利便性が高まっています。
複勝は古くからある馬券ですが、現代においても比較的馬券の中で一定のシェアを確保している馬券です。
概ね、全馬券種の中で8%前後の売り上げを常にマークしており、これは単勝よりも高いのが特徴です。
複勝の過去最高配当は?
複勝は最も的中させやすい馬券であるために、他の馬券と比較して払戻金が低いのが実情です。
それでも、過去以下のような高配当が出現しているので、決して邪険に扱えない馬券と言えます。
1位:16,110円
JRAで過去最高払い戻しとなったのが、2010年6月26日 2回福島3日2Rの3歳未勝利芝1,200メートルでした。
ちなみに、単勝の過去最高配当も福島芝1,200メートルであり、これは偶然ではなくローカルの馬券売上や3歳未勝利であるなどの要因によって発生しているのです。
このレースでは16頭立てで行なわれ、5番人気のナガレボシイチバン、2着には2番人気のコスモピクシーが入りました。
これだけ見れば決して過去最高配当になるような組み合わせではないのですが、3着に最低人気のヴィヴィアンが入ったことで16,110円の払い戻しとなりました。
複勝は3着までに入る馬の人気によって決まると解説しましたが、この例ではダントツに売れていなかった馬が3着に入ることで、過去最高配当になったのです。
鞍上の中谷雄太ジョッキーは、一部のファンから熱狂的に支持されていることで有名で、この結果にも大きく湧いたのは言うまでもありません。
2位:14,390円
2位にランクインしたのが、2012年7月28日に小倉競馬場で行なわれた、唐津特別です。
このレースは16頭立てであり、武豊ジョッキー騎乗のスマートルシファーがダントツの人気でした。
ただ、スマートルシファーは4着に敗れて、2番人気のダイヴァーダウンが勝利、2着には8番人気のタングルジャングルが入ったのです。
そして、3着に15番人気、単勝300倍超えのクリーンイメージが入って14,390円をマークしています。
3位:14,080円
3位に入ったのが、2012年3月25日の阪神競馬2レースです。
このレースでは、2着にトゥルーフレンドが入ったことで高配当を演出しています。
この時の鞍上は、かつて笠松競馬に所属していた尾島徹ジョッキーでした。
テン乗りで2着ながらも見事に結果を残した形となっています。
複勝のメリットとデメリット
複勝はスタンダードな馬券となります。
メリットもあればデメリットもあるので、しっかり特徴を掴んだ上で購入することが重要です。
主なメリットとデメリットには、以下があります。
メリット
複勝の最大のメリットは、的中させやすい点に尽きます。
特に、初心者の方であれば的中させることによって競馬の楽しさを実感することが可能です。
また、プロ馬券師でも高額の金額を投じるというケースもあり、初心者だけでなく玄人好みの馬券でもあります。
さらに、控除率が高いために、長い目で見れば回収率を高めることができます。
競馬に絶対はないので、一時的な的中も大事ですが長期的な目で見て回収率を高めることが重要です。
派手さこそないものの、複勝は稼ぎやすい馬券と言えます。
デメリット
複勝のデメリットは、当てやすい反面で配当は低いという点があります。
1番人気であれば1倍台になる事が多く、少額投資でガッツリ稼ぎたいと思っている方には物足りなさを感じます。
また、レース確定するまで払戻金がはっきりしないという点も難点です。
ある程度の目星は付けることができても、確定まで把握できないために投資する上では0.1倍違っても大きな影響を受けるため、気が抜けない馬券でもあります。
複勝の攻略法を伝授!
オッズが低くなりがちな複勝ですが、戦略を持って購入すればしっかりと利益を上げることができる馬券となります。
主な攻略法には、以下があります。
複勝転がしを実践する
的中させやすい馬券では、転がしという手法で少ない手元資金で大きな利益を得ることができます。
その中でも、特に複勝転がしは的中させやすいという点を活かして、広く実践されています。
複勝転がしとは、複勝を的中させて得た払戻金を、そのまま全額違うレースの複勝に投票していく手法です。
例えば、1,000円からスタートしても数レース転がして的中させ続ければ10倍以上の利益を得ることが可能です。
もちろん、一回でも外れればその時点で終了となりますが、多少のスリルを感じながら購入できる馬券としてもおすすめできます。
なにも考えず1点に集中して購入
頭数が多くなればなるほど、どの組み合わせが最も利益を上げることができるかと深く考えてしまうものです。
これも競馬の楽しみの一つですが、結果が伴うかはまた別問題です。
よって、複数の馬券を購入するよりは、複勝1点に絞って購入するのがおすすめできるシーンが多く見られます。
特に、ダントツの人気馬がいるレースで、その馬が3着まで入らないような不安要素が多少でもあるのであれば、その他の馬の中から3着以内に入りそうな馬をチョイスして投資すると、比較的高めの配当金を得ることができますよ。
プロ好みの馬券である!
複勝は初心者向きな馬券と思われがちですが、実際には玄人でも広く用いられている馬券です。
複勝転がしなどの独特な購入法も楽しめますので、是非購入して競馬を楽しみたいですね。